思わぬところから繋がるゲーミング縁:ふーひーブレイク【第2回】

さて、前回は実況のプロを志したきっかけからウェルプレイドに所属するまでの話をしました。今回は、その後の話。実際に僕が何をやってきたか・仕事編を話そうと思います。
2018年の間に、僕は新しく「ディシディア ファイナルファンタジー アーケード」(以下、DFFAC)、「ドラゴンボール ファイターズ」(以下、DBFZ)、「ソウルキャリバーVI」(以下、SCVI)の実況をさせていただくことができました。
じゃあ、実際どういう流れで仕事に繋がったの? どうしてオファーが来たの?そのために何をしたの? ということを話すことで、「こういうことやってみようかな」と思える何かをお伝えできれば幸いです。
WP所属時に立てた目標を達成するために
ウェルプレイドへの所属が決まった2018年の5月、僕はいくつか目標を立てました。
そのうちの大きなものの1つが、「2018年内に『DFFAC』と、新しいもう1タイトルを実況したい」というものです。
DFFACとは、2015年11月26日よりゲームセンターで稼働している3対3の対戦アクションゲーム。ファイナルファンタジーのキャラクターたちがシリーズの垣根を越えて参戦しており、過去にはPSPで発売されたものをプレイした方も多いのではないでしょうか。
このゲームも、「ポッ拳」を一緒に遊んでいた友人から誘われて稼働時から続けていたので、結構深い知識も持っていると思います。「自分がすでに得意なゲームを仕事に繋げた上で、新しく始めるタイトルでもチャンスを得たい」と言う感じです。
今思えばそれなりに高そうなハードルですが、これができなかったら今後やっていくことは難しいかもなと考えていました。イベントに足を運び、人に会って自分を知ってもらう行動は当然として、まずはDFFACの実況を目指す。それが僕のスタートでした。
この達成へ大きな足掛かりになったのが同年7月15日に行われた「GODSGARDEN ディシディアファイナルファンタジー NT」でした(以下、DFFGODS)。このイベントは、1月に発売されたDFFACのPS4版「ディシディアファイナルファンタジー NT」のユーザーコミュニティイベントです。僕はこのイベントで、運営スタッフ兼MC・実況として関わっていました。まずは、その経緯をお話しします。
なんとなくが確信に変わった「GODSGARDEN DFFNT」
時を半年ほど遡って、2018年の1月27日。僕はEVO Japan 2018というイベントへ行きました。これは世界最大級の格ゲーイベントEVOの日本版で、2018年に初めて国内で開催されたイベントです。僕はポッ拳部門のお手伝いとして来ていました。
そのときご縁があってお会いしたのが、コーエーテクモゲームスに勤めている「餅A」さんです。ポッ拳部門の実況で来ていた「おおさか」さんとは旧知の仲のようで、たまたま一緒に行動していたときに紹介いただきました。
DFFACはコーエーテクモゲームスのTeam NINJAも制作に関わっていたので、ふと自分がプレイを続けていることを話しました。すると餅Aさんから、「家庭用も発売したし、個人としてユーザーイベントを開きたいと思っている。その際は協力してくれないか?」というお話をいただきました。
僕自身DFFのイベントはやりたいと思っていたので、自分もできることはなんでも協力すると約束をしました。そのときに良かったら実況もしたいですと付け加えていたと思います。このときはまだプロになることは考えていない頃でしたが、単純にDFFACも実況してみたいという気持ちは持っていたんですよね。
ユーザーイベントならマイクを持つハードルはぐっと下がるので、スタッフとして動きつつ実況もさせてもらえたらいいなーとそのときは考えていました。そこから話が進んだのは、そこから数ヵ月たった5月ごろの話でした。餅Aさんから、「会場の目星もついたので、本格的に動いていきたい」という連絡が!
これは本当に偶然ではありましたが、僕が実況のプロになる事を決意してウェルプレイドに所属した直後のことだったと思います。チャンスかもな、となんとなく思いました。
そこから餅Aさんを中心になって動き、格闘ゲーマー団体「GODSGARDEN」の協力を受けて、宣伝配信などを行いながら企画を進めました。
その準備を進めるかたわらで、DFFACの開発元であるスクウェア・エニックスにごあいさつをする機会がありました。このときに、自分が実況で生きていくことを決意した、DFFの実況もやりたいと思っていることを伝えました。
対応してくれた社員の方々は、プレイヤーとしてDFFの大会に参加した際に何度かお会いしたことのある方々でしたが、だからこそなのか、営業用に作った名刺を交換する際は緊張していたことを覚えています。
結果としてイベントのことも受け入れていただけただけでなく、当日は会場まで見に行きたいというお話までもらえました。その提案をして頂いたとき、なんとなく思っていた「チャンスかもな」という気持ちが確信に変わりました。
その後、公式の方々から告知関連もご協力いただけ、当日は100名を超えるプレイヤーが集う他、開発の方々や「ファミ通」「電撃オンライン」などのメディアも集まる大きなイベントとなりました。
当日は設営や準備を行いながら、開始した後はMCとしての進行と、実況の役割を務めました。運営としての仕事を請け負ってくれたスタッフのみなさんには本当に感謝しています。
これだけ大きくなったイベントで、ずっとやってみたいと思っていたDFFの実況ができている。本当に夢のようで楽しい時間でした。
終了後、来場してくれていたDFFプロデューサーの方に、本気で実況としてやっていきたいこと、DFFを面白いと思っていること、もし今日のイベントを見て良かったと思ってもらえたなら、一度チャンスがほしいことを伝えました。
活動実績を残して来るべきときに備える!
結果として、その後公式大会の1つである「DISSIDIA バトルコロシアム」にお声がけしてもらい、「TGS2018 I-ODATA杯」「三周年記念公式1dayトーナメント」と、重ねてご縁を結んでいただいています。
直接言われたわけではないので憶測ではありますが、最初のきっかけはやっぱり「DFFGODS」が大きかったんじゃないかなと思っています。内容ももちろんですが、それ以上にユーザーイベントの場で、本気で取り組んだ所を見ていただくことができたのが大きいかなと。
どれだけそのゲームに詳しかったり、やる気があったりしても、公式側から新しい人間を呼ぶということは簡単ではないですよね。公式の手掛けるイベントは、いろいろなものに膨大な量がかかっていますし、視聴者の目にも映る。
呼んだときにどういう風になるかイメージができないとリスクが大きい。本気で動かしているイベントならなおさらだし、ましてやDFFは稼働3年目に入っていて出演の方々も決まっていましたから……。
その部分のハードルを、あくまでユーザーイベントとして僕ら個人で大会を開き、その場で「僕がこのゲームを喋ったらこんな感じになりますよ」という風に、自分の責任の範疇で公式の方々に実例を届けることができた、という形で多少なりとも超えることができたんじゃないかなと思います。
今実況とかを目指そうってなったとき、結局一番ハードルが高い部分はここだと思うんですよね。まずはやりたいと思っていることを知ってもらうこと。そして、1回目のチャンスを手にすること。
1回でもチャンスをもらえたら、その後に繋いでいけるかは本人の実力次第になりますが、そこにたどり着くまでがなかなか難しいんじゃないかなと。そこをどうプロデュースしていくかだと思うんですが、今回の実例としてはオフイベントを開いたら見てもらえた、という形になります。
もちろん、今回のように公式の方が目に止めてくださるケースはかなりレアだと思います。かなり手厚くご協力いただけましたし、そういう意味では、そこに繋げてくれた餅Aさんにお会いできたことも含めて、僕はラッキーでした。
ただ、今はゲームイベントを開くための会場も増えてきていますし、継続してイベントを開きSNSなどで発信していけば、メーカーの方は結構目に入れてくれると思います。そういう時代です。
そうして自分の手である程度の活動実績を残しつつ、公式大会などの会いやすい場に備える、というのもアリだと思います。
いざ公式の方に会えるチャンスが来たときに、「こういうことをやってます!」と言えるのは強いはず。やる気と実績をアピールできる土台作りは大事だなと、今回の件で思いました。
「紹介」の重みとありがたみを感じたDBFZ
DFFの活動に取り組みつつ、並行してもう1つの目標である「新しいタイトル」の実況をするために動いていました。
とは言いつつも、明確に「これをやろう」と言った手段があったわけではなく、イベントに行ったり大会を観に行きながら、人と会って話したり、半ば闇雲と言っていい動きをしながら、面白いと思ったゲームをプレイしていく日々が続いていました。
こういった活動ではあるものの、何も収穫がなかったわけではなく、関西最大規模の格闘ゲームファンイベントと呼ばれる「KSB」に行って実況したり、格闘ゲームの祭典「EVO」に初めて参加したりと、自分なりにいろいろな経験や刺激を得ることはできたかなと思います。
そんな中で新しくご縁をいただけたのは、DBFZでした。あの「ドラゴンボール」の格闘ゲームが出ると、発売前から話題になっていましたよね。先月の2019年1月にワールドツアーがファイナルを迎え、新たなシーズン2の発表もあり、今なお世界的に盛り上がっているゲームだと思います。
DBFZは、発売時はPS4やXbox Oneなどで展開されましたが、その後Nintendo Switch版が発売されました。このゲームは3人のキャラクターでチームを組んで戦うゲームですが、Nintendo Switch版には各人が1人キャラを担当し、最大6人でオフライン対戦ができる機能があります。
この機能を使って開催されたイベントが、「力の日本大会3on3チーム戦」です。プレイヤーも3人1チームとしてエントリーする、これまでとはひと味違った大会です。このイベントは、月を跨いでそれぞれ関東、関西、九州と3回行われたのですが、関西大会のMC・実況を僕が担当することになりました。
イベントの実況は、eスポーツキャスターとして幅広く活躍されているコーリー(郡正夫)さんが担当する予定でした。格闘ゲーム好きの方々にとっては、昔行われていた格闘ゲーム大会「闘劇」のMCとしておなじみだと思います。僕も、高校生の頃から動画越しにお姿を拝見していた方でした。
コーリーさんはポッ拳公式大会のMCや実況も務めることも多く、ポッ拳をきっかけにごあいさつをさせていただいていました。僕がウェルプレイドに所属し、実況の道を歩き始めたことも存じてくださっていて、先述した「KSB」という大会ではポッ拳部門の実況として一緒に喋らせていただいたり、何かとお世話になっていた方の1人でもありました。
関東と九州はコーリーさんが担当されましたが、関西大会のみスケジュールが合わなかったそうなんですね。それで、誰か代わりとなる実況はいないかという話になり、僕のことを紹介してくれたんです! 関西の1週間前に行われた関東大会の様子を見に行ったときも、「がんばってる若い子だよ」と運営の方々に紹介してくれました。
当時僕はまだまだ実績がなかったのですが、紹介してくれたコーリーさんと、所属しているウェルプレイドそのものへの信頼もあって採用してくれたのだと思っています。実際に踏み切ってくれたファイターズ運営の方々にも合わせて、本当に感謝しています。
このような経緯もあり、普段以上に準備をして臨みました。人からの、それも大先輩の紹介ということもあり、いつも以上に気合が入っていましたね。調べものも多くしたし、その上で対戦もしていました。当日までに目標にしていたランクマッチ80万BPを超えれたこともうれしかったです。自分の仕事ぶりは他者が評価するものではありますが、それでも滞りなく進行することができたと思います。
この大会を終えた後、11月末に控えていたワールドツアーのサーガ6「Japan Round」でも実況をやらないかとお声がけいただきました。DBFZはこれまでも実況をしていた方がいらっしゃったのですが、Japan Roundは2日間に渡る長丁場の現場で、実況解説も複数人を揃えたいと意向だと聞きました。
その枠に自分を入れていただけたことは、本当にうれしかったです。これも準備に時間をかけて「力の日本大会」に臨めたのが大きかったなと思いますし、もっと言えば、仕事に繋がることがはっきりする以前から「面白いな。実況したいな」という気持ちでゲームをプレイできていたことが何よりだと思います。
事前にプレイしていたことを周囲の人が知ってくれていなければ、そもそも話が来ていたかどうか……。
今回に限った話ではないですが、「やっている」ことや「やりたい」と思っていることを、ちゃんと声にするのも大事なことですね。
全力が繋げてくれたSCVI
DBFZのJapan Roundが終わった11月末。ありがたいことに、もう1つご縁をいただけたタイトルがありました。2018年10月18日に発売された、シリーズとしては約6年ぶりになる新作SCVIです。
このゲームは僕が憧れたおおさかさんの実況を聞いたゲームであり、ひいては実況を始めるきっかけとなったゲームだと思っています。おおさかさんからも、「ポッ拳とやりとりが似てる部分があるし、SCVIが出たらぜひやってみてほしい!」と言ってもらっていたこともあり、発売に合わせてプレイしようと楽しみにしていたタイトルでもあります。
中野にあるRed Bull Gaming Sphere Tokyoで毎週火曜日に行われている格闘ゲームの対戦会「Fighting Tuesday」では、7月頃から発売前のSCVIがプレイ可能で、そのときから中野に通いつつ発売を楽しみにしていました。
コミュニティの方々もすごく親切に教えてくれて対戦を楽しんでいましたが、実況の方はというとお声がけいただけるかはちょっと難しいかもなと思っていました。そもそも、おおさかさんと言うすごい人がいるし、20年間続くゲームだけあって、深い知識を持ちつつ喋りがうまい人もいらっしゃいます。とはいえプレイは続けたいし、プレイするならやっぱり実況に繋げたい。今はゲームを楽しみつつ、いつか呼んでもらえるようがんばろうと考えていました。
が、機会は思った以上に早く訪れました。お声がけいただいたのは、Red Bull Gaming Sphere Tokyoで開催された「Red Bull Monday Night Streaks」でした。このイベントは2018年8月ごろから開催されており、月曜日に何かしらのタイトルで大会を行って、優勝者には賞金99,999円が贈呈されるイベントです。
過去にも「鉄拳」や「DEAD OR ALIVE」などの格ゲーから、「みんなのゴルフ」や「サルゲッチュ」といった意外なゲームまでジャンルを問わず種目になっています。SCVIは、12月3日と10日の計2週に渡って開催が決定していました。
この大会、格ゲーの場合は当日予選参加者でトーナメントを行い、優勝者は過去大会の成績から選ばれた、頂上で待つチャンピオンとの10先を繰り広げる非常に見ごたえのあるルール。エントリーも済ませて大会当日を楽しみに待っていたのですが、そんな中「実況をやりませんか?」という連絡が来たのは、開催4日前の木曜日あたりだったと思います。
当時はまだ十分に準備ができておらず少し自信がなかったのですが、ここで引いては今後やっていけないと思い、使える時間を全部使って臨もうと引き受けました。
もともと喋る予定だった方が都合がつかなくなってしまったという背景がありましたが、その経緯からどうして自分に話を振ってもらえたのか? 自分なりの憶測ではありますが、これには大きくわけて2つの理由があったと思います。
1つは、11月末に行ったDBFZのJapan Roundです。今回この話を振ってくださった方が当日会場にいて、僕の実況を聞いてくれていました。その方たちは、前回の記事に書いたポッ拳の大会「春拳」の会場にもいて、同じく僕の実況を聞いてくれていました。
Japan Roundが終わった後にその方と話す機会があったのですが、「良かったよ!ふーひ君は、本当にマルチに実況できるんだね」という言葉をいただけて、とてもうれしかったのを覚えています。
仕事にしていくなら、「ポッ拳実況者」から「格ゲーの実況者」「対戦ゲーム実況者」と、どんどん枠組みを広げていかなければならない。「こいつはポッ拳だけじゃないんだな」というのをいろんな人に認めてもらわないといけない。その一歩目の枠を広げる事が出来たと思いました。
もう1つは、先述した中野の対戦会「Fighting Tuesday」です。この対戦会は鉄拳、DBFZ、SCVIの3タイトルが同時に楽しめるイベントで、対戦会という体裁ではありますが、参加者によるトーナメントも行われています。平日ながら多くのプレイヤーが集まっていて、毎週ハイレベルな大会がどのタイトルでも繰り広げられていました。
発売してからはSCVIの大会も行われるようになり、僕はその場で実況をさせていただいていました。大会が行われるならやってみたいなと前々から考えたことで、何かに繋がるかはわからないけど、何かに繋がるかもしれないし、そもそも自分にとって経験にもなる。声がかかるのをただ待つのではなく、今の自分にできることを、できる範囲でやろうと。
最初の大会の当日、運営の方にSCVIの実況をさせてもらえないかと話をして、運営の方も「始まる際に募集をするから、そのとき改めて手を挙げてくれ」と柔らかく話してくれました。それを言われてから、募集が始まるまではすごくそわそわしてたと思います(笑)。ちょっと気持ちが前のめりすぎてしまったかなと反省する部分もありましたが、ありがたい事にマイクを握らせて頂けることに!
それ以来、参加できた週は毎回実況をさせてもらえました。後になると、「ふーひさんいますか?」と呼んでいただくようにもなり、本当に感謝しなければいけません。
このイベントで実況をさせていただけたおかげで、Monday Nightの際にぶっつけにならず、自分なりの実況イメージを持って臨むことができました。それに、ほぼ毎週トーナメントを見ることができたお陰で、「このプレイヤーはこういう戦い方をする」「この2人は対戦経験も多い」など、選手たちのことを知ることもできました。プレイヤーの背景は、実況をする上で欠かせません。Japan Round、引いてはそれに繋がった力の日本大会についても同様です。
ウェルプレイドに所属した際に、マネジメントの方に言われたことで、今でも強く印象に残っている言葉があります。それは、「仕事から次の仕事に繋げていける人間が生きていける」と言う言葉。その言葉を聞いて以来、どうすれば次に繋げられるのかもずっと考えていました。ひとまず今持っている結論は、「全力でやること」。
イベントは、みんな魂込めて作っています。そこに全力を注げない人間は誰だって呼びたいとは思わない。「本気で臨みました」と言うことを、過程ではなく結果で示す。依頼してくれた人の想像を超えるパフォーマンスをすることが必要だと考えていました。
それができているかどうかは周りの方々が決めることですが、こうして次に繋げられたことに対しては、よろこんでいいかなと思っています。
まとめ~ゲーミング縁
仕事に繋がった例を3つのタイトルに分けて紹介しました。ケースとしてはいろいろだと思いますが、共通していることが1つあると思ってます。それは「人」の存在が大きく関わっていると言うこと。「縁」と言い換えてもいいかもしれません。
餅Aさんと出会い、DFFGODSを行っていなければ、ディシディアに繋がる道は開かなかったかもしれません。その餅Aさんと引き合わせてくれたのは、ポッ拳を通じて知り合ったおおさかさんです。
コーリーさんが僕のことを気にかけてくれていなければ、DBFZを実況するきっかけはもらえていなかったと思います。そのDBFZと、僕の初陣となったポッ拳大会「春拳」を同じ人が聞いていなければ、SCVIの話をいただけたかはわかりません。
これは、人によってはただのコネだと思う方もいるでしょう。ラッキーだっただけでは? と言われたら、僕はそのとおりだと返すでしょう。けれど、そのラッキーに恵まれたきっかけには、これまでの自分の歩みがきっとあると思っています。
縁がどう繋がるかなんてわかるものではないと思います。僕はプロになるずっと以前から、ゲームを通じてさまざまな人と会うことができました。それは決して「人と縁を作るぞ」という気持ちではなく「ゲームって面白い」という気持ちを通した行動から繋がってきたものです。
そしてプロという肩書を得てからは、今の僕にできることとやるべきことを考えて、動いて来たつもりです。
その1つ1つを通して「こいつ本気なんだな」と感じてくれた人たちに、僕は助けられて来たんだなと、記事を書きながら改めて思いました。
よっぽどの天才でもない限り、1人だけで成り上がっていくのは不可能だと思います。必ず誰かの助けがいります。けれど、誰かの助けをアテに待つだけでは誰も助けてはくれません。自分にできることを常に考えて、助けてくれる人や応援してくれる人に恥ずかしくないような人間になることが、今の僕の目標です。
【あわせて読みたい関連記事】
夢から目標になった実況のプロ:ふーひーブレイク【第1回】
ゲームキャスターとして活躍しているふーひの連載がスタート。第1回目では、喋ることを仕事にしようと踏み出したきっかけから、職業ゲームキャスターになるまでの話を語ってくれた。