選手補強が激しくてLJL 2020 Spring Splitが過去イチで熱い

Mako(WPJ編集部)

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2月8日に開幕するLJL 2020 Spring Split。

直近のLJLを振り返ると、2018 Summer Split以降はDetonatioN FocusMe(以下、DFM)が優勝を収めており、今シーズンも優勝の筆頭候補であることは間違いない。

だが、そう簡単いきそうにない事情が今年のLJLにはある。各チームの移籍の状況を見ると、昨シーズンとは様相が異なるのは一目瞭然だ。

そこでこの記事では、LJL 2020 Spring Split開幕にあたっての勢力図を整理していく。

チーム編成で過去最高レベルのLJLに

まず触れなければならないのが、新加入の福岡ソフトバンクホークス ゲーミング(以下、SHG)とRascal Jester(以下、RJ)だ。それぞれ、Tussle選手とviviD選手がLJL出場年数が規定に達し、今季より日本人選手枠として出場できるようになった。

つまり、通常は2名までである外国人選手が、SHGとRJは3名の体制で試合に臨むことができるというわけだ。

Tussle選手、viviD選手ともに長いプロ経験から高いパフォーマンスを発揮することが予想される。韓国人プレイヤー3名の体制を洗練させることができれば、今季の台風の目となる可能性は高いだろう。

このように、ロースターを外国人プレイヤーが3名も占めることはLJLにおいて初めてのこと。必ずしも強くなるわけではないかもしれないが、前例のないことなので蓋を開けてみないとわからない。SHGとRJの試合には注目すべきだろう。

また、他のチームももちろん万全の準備を進めている。

Sengoku Gaming(SG)は、昨年LJLへやってきたBlank選手が再加入、元SK Telecom T1でLEC(ヨーロッパのリーグ)でも活躍した経験のあるPirean選手も加入。Crest Gaming Act(以下、CGA)には、LCK(韓国1部リーグ)のKT Rolsterで活動していたGango選手が加入。

各チーム、2020年に向け着々と体制を整えてきた格好だ。ここからは、注目しておきたいチームの情報をお届けしていく。

Sengoku Gaming:日本人トップレベルに元SKTが融合

前述のBlank選手、Pirean選手の韓国人プレイヤーに加え、apaMEN選手、Yutorimoyashi選手、Enty選手という日本人トップレベルの実力者を擁するSG。

Yutorimoyashi選手、Enty選手による日本人同士のDuo Botは今季LJLで唯一となっており、彼らがどこまでやれるかがチームの行く末に影響してくるポイントとなるだろう。

MID、Jungleの連携(Pirean選手、Blank選手)やLJL 2019 Summer Splitでは出場機会のなかったapaMEN選手の動きなど、注目すべきところは多い。

福岡ソフトバンクホークス ゲーミング:初参入で韓国人プレイヤー3名

今季から参入を果たしたSHG。

といっても、昨年は大活躍だったDasher選手に日本人枠のTussle選手、元DFMのRamune選手といった馴染みのあるプレイヤーが名を連ねている。

加えて韓国からきた期待の新人Honey選手、League of Legends Challenger Series(LJL CS)の経験はあるが今季が初のLJLのスターターとなったPooh選手という布陣で挑む。

中でも注目はやはりMidからTopにコンバートしたDasher選手。彼がチームをキャリーできるかどうかは見どころだ。

Honey選手、Pooh選手のBotレーナーの新人コンビの活躍次第では、もしかしたらもしかする可能性も。

Rascal Jester:韓国人Botレーンの実力はいかに?

SHGのTussle選手同様、日本人枠として出場するviviD選手に、元CGAのArt選手、昨年から引き続きNinja選手の韓国人プレイヤー3名で迎え撃つRJ。

日本人選手は、TopのCogcog選手、Jungleは元CGAのhachamecha選手。

Botレーンが韓国人2名(Art選手、viviD選手)の編成はLJL史上初。Botレーンからのゲーム展開に注目してみると楽しめるのではないだろうか。

Crest Gaming Act:Gango、Ariaのキャリーに注目

安定したプレイでチームを支えるNap選手に若手JunglerのYoshi選手、SupportのGrendel選手らと、昨年はLCKで活動していたGango選手、若いながらもプロから高い評価を受けているAria選手というメンバーで挑むCGA。

ADCのGango選手、MidのAria選手のキャリー陣がチームを引っ張る。

絶対王者DFMの牙城は崩れるか?

以上が注目しておきたいチームの選手情報。

特に、SGは各ポジションの日本人トッププレイヤーと元SKT韓国人プレイヤーという肩書だけでも強いという印象を受ける編成であり、試合が今から楽しみである。

RJのBotレーンからの展開も見逃せない。韓国人3人体制が機能する事例となれば今後のLJLのストーブリーグに新たな見どころができる。今季のダークホースと言ってもいいだろう。

しかし、迎え撃つDFMも黙ってはいない。前シーズンと同じスターターだがその練度はLJL随一。優勝候補筆頭であることには変わりない。そんなDFMに対してどこかが待ったをかける可能性が昨年以上にある、というのが今季のLJLである。

LJLに影響する大幅な仕様変更も

Midの重要度は若干アップ?

LoLにおいてMidはマップ全体に影響を及ぼすことからとても重要なレーンであるが、Midの主導権を握るにはJunglerとの連携が必要になってくる。

しかし、今シーズンからの仕様変更でJungleが獲得できる経験値が減少。Jungleの影響力が少なくなり、相対的にMidの重要度が上がったと考えられる。

とはいえ、Jangleは全マップに影響を出せるロールであるため、依然として試合への影響度の高い。

北米のLCSの選手(アカデミー在籍含む)への匿名調査にて、「プロのプレイで最も影響があるのはどのロールか?」という項目に対する回答では、

  • Top:1.2%
  • Jungle:40.7%
  • Mid:43%
  • Bot:4.7%
  • Support:10.5%

という結果になった。少なくとも北米においては、若干Midが上回っているがJungleも同程度重要視されていることがわかる。

ドラゴンの仕様変更にどう対応するか

パッチノート9.23にてドラゴンの仕様変更があった。

1体ごとのバフの効果が弱くなった代わりに、4体目を倒した際にドラゴンソウルを獲得できるようになった。これが非常に強力で、効果は試合が終わるまで継続する。つまり、4体目のドラゴンを倒したチームは大きいアドバンテージを得られるということだ。

その反面、4体目を倒すまでは大きなバフを得ることができない。

早くドラゴンソウルを獲得するために序盤からドラゴンを積極的に狙っていくか、あえて序盤のドラゴンを捨ててリフトヘラルドを取り、タワープレートを獲得して序盤にゴールドの有利を築くのか、どちらの選択をチームが取るかが見どころとなりそうだ。

ドラゴンを狙う場合はMidとBotの主導権を取ることが重要になるためJunglerはBotサイドで、逆にリフトヘラルドを狙う場合はMidとTopの主導権が重要になるため、JunglerはTopサイドで動くことになる。

どちらにせよMidの重要度が高く、Midで主導権を取るためにJunglerは動かなければいけない。MidとJunglerの連携が問われるところであり、各チームがどのように仕上げてくるのか見ものである。

開幕までにどれだけ仕上げられるかがカギ

以上の2点が現環境で主に試合に関わってきそうな気になるポイント。どのチームもまさに練習やスクリムに励み、上記を含めて開幕までにチームの練度を仕上げているところだろう。

また、今季は対戦フォーマットも

  • 2019年
    • レギュラーシーズン:トリプルラウンドロビン
    • プレイオフは上位3チームにより実施

  • 2020年
    • レギュラーシーズン:ダブルラウンドロビン
    • プレイオフは上位6チームにより実施

と変更されている。

レギュラーシーズンの試合数が減り、期間で見ても1ヵ月間しかない。シーズン中の調整が難しくなったとも言えるので、開幕戦である2月8日までにどれだけパフォーマンスを高められるかが、今季の行く末を左右することになりそうだ。

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Mako(WPJ編集部)
スマホゲームの攻略サイト、情報メディアを渡り歩いてウェルプレイドジャーナルに流れ着いた超絶新進気鋭の若手編集者。イベント取材では物販やコスプレイヤーに釘付けになりがち。

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