sako×akikiに聞いたプロゲーマーの結婚生活はすべてがゲーム中心だった(前編):倉持由香のゲーマー交遊録【第3回】

倉持由香

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みなさま、あけましておめでとうございます。2019年も本連載をよろしくお願いいたします! 私、倉持由香が1人のゲーマーとして、さまざまな選手の方々に話を聞くこの連載も、第3回目となりました。今回のゲストは、sako選手です。

第0回の自己紹介でも書きましたが、家庭を持つプロゲーマーの方に話を聞いてみたかったんですよ。結婚に至った経緯や、一家の大黒柱としてのプロゲーマーの素顔に興味があります。このあたりを中心にsako選手と奥さんのakikiさんにもあれこれ聞きまくってみたので、前後編を通してお楽しみください。

格ゲー以外も大好きな雑食ゲーマーのsako

倉持由香(以下、倉持):前回から最初はこの質問にすることにしてます。sakoさんは、どんな質問をされるのがうれしいですか? こういうことを聞かれると、「おっ、わかってるじゃん」ってなる質問とかでも大丈夫です。

sako:
なんやろな。とにかくゲームが好きなんで、ゲームの話題で質問してくれると話しやすいですね。

倉持:ゲームということは、格ゲーで?

sako:
いや、格ゲーに限らず、いろんなゲームが大好きなんですよね。オレはゲームは雑食です。

倉持:最近、ストV以外でプレイされてるゲームはなんですか?

sako:
最近は、PS4の「スパイダーマン」を遊んでます。これはめっちゃ面白いです。ニューヨークの街を移動するだけでも気持ちいいです。

ほかにも、「ピクロス」のようなパズルもプレイしますし、「スターデューバレー」っていう牧場シミュレーションにもハマってます。

倉持:「スパイダーマン」はフォトモードなど自由度が高くて面白いです! 本当にジャンルを問わず、プレイされるんですね。プロゲーマーになってよかったことはありますか。

sako:
プロゲーマーになってからは、海外大会に参加する機会が増えました。それもあって、海外にファンの方ができたことですね。

2012年にブラジルへ行ったんですが、現地のコミュニティーの方たちと対戦会をやったことがきっかけで、ファンができたんです。この中には、今なお「sako、応援してるよ!」「ブラジルから配信を見てるよ」といってくれる方がいて、うれしいです。

倉持:逆に、プロゲーマーになってツラいことはありますか?

sako:
勝てないときはツラいですね。2017年もCapcom Pro Tourを周ってましたが、調子いい時でもベスト8までで。一度も優勝できなかったのはしんどかったですね。

自分としても大会には出場したいですし、でも練習する時間がその分なくなるしで。しかも、スポンサーの看板を背負って出場となれば、「勝たなくては!」となるんですけど、結果がついてこなくてツラかったですね。

倉持:そういうときに支えになるのは、奥さんのakikiさんと、娘さんのりんかちゃんですか?

sako:
そうですね。「パパ、がんばって!」と言われると、より気合いが入ります。

ゲーム話で意気投合後、ゲーセンデートでベガ立ち3時間

倉持:akikiさんとの出会いは?

sako:
出会いっていうと、何年ぐらい前だっけ?

akiki:
あれは確か、15年前じゃないかな。

sako:
オレが自動車免許取得のために、香川県に合宿へ行ったんですよ。それが出会いのきっかけですね。

akiki:
そのとき私も関西在住で、sakoも関西だったんです。当時、関西からの合宿免許で検索すると、香川県がコスパがよかったんですよね。

倉持:自動車教習所の合宿で、どうやって仲良くなるんですか?

sako:
合宿場所の周りに何もなかったんです。昼間は講習があるからいいんですが、夜になるとすことがないので、同じ寮の仲間と食堂でこっそりお酒を飲んだり、麻雀したりしてました。そんときに、(akikiさんが)帰ってきたんだっけ?

akiki:
私は実家が香川県なんです。だから、講習が終わったあと、実家に帰ってたんです。実家にはレトロゲーム好きの弟がいたんですけど、この期間は「ツインビー」や「グラディウス」をよくいっしょに遊んでました。

その日はゲームで遊んでたら割と遅い時間になって、弟に合宿所まで送ってもらって玄関を入ったら、sakoが食堂にいたんですよ。

当時から、sakoは無口なほうでしたし、私はこう見えて人見知りなので、話さなくていい人とは極力話さないタイプなので、「どこか行ってたんですか?」って聞かれたんですが、「あっ、まぁ」みたいな返事しかしてなかったんです。

倉持:akikiさんはコミュ力の塊みたいに思ってたので、人見知りというのは意外です!

akiki:
食堂でみんなでご飯を食べるときも、私は部屋に持っていってぼっち飯するタイプなんです。sakoはみんながわいわいしている中で、無口に1人で食事をするタイプなんですよね。

で、私が遅い時間に帰ってきたときは、みんないい感じに酔っ払ってたし、ぼっちなのを知られてたので、いろいろ話しかけてくるんですよ。

  寮生:「こんな時間まで何やってたんですか?」

  akiki:「実家に帰ってました」

  寮生:「実家で何やってたんですか?」

  akiki:「弟とゲームしてました」

  sako:「ゲームですか!!」

ここまでずっと黙ってたsakoが、「ゲーム」とワードを聞い瞬間、乗り出してきたんです(笑)。「なんのゲームやるんですか?」「オレもゲーム好きなんですよ!」って。

sako:
合宿所はゲームする環境がなくて、ゲームに飢えてたんですよ。

akiki:
こういうゲームやってますみたいに答えてたら、「いやー、いいっすね~~!」ってすごく盛り上がってて、sakoが1人で(笑)。今までひと言も話してこなかった人が、急に盛り上がっているのを見ると、こっちはちょっと引きますよね。

この日を境に、sakoから見た私は「ゲームの話ができる人」になったみたいで、話をするようになりました。そこから徐々に仲良くなっていきました。

その後、合宿が終わってからも会うようになって、ある日、「格ゲーは知ってますか? オレは格ゲーが好きなんです! ゲーセンは行きますか?」みたいなことを聞かれたことがありました。

「後ろでプレイを見るのは好きですよ」って答えたら、「じゃ、行きましょう!」となりました。その当時はまたお付き合いはしてなかったんですが、すでにベガ立ちを3時間強要されましたね(笑)。

倉持:付き合う前に3時間!

akiki:
むしろ、付き合ってないがゆえに、帰りたいと言い出せず(笑)。だって、ワンコインで100連勝とかするんですよ。終わんないんですよ。

倉持:普通の女の子だったら、絶対帰ってますよ……。

アケコン女子と出会って、炊飯ゲーマーに

倉持:お付き合いされてた期間はどれぐらいなんですか?

akiki:
いっしょに住み始めたのは、付き合い始めた日なんですよ。一人暮らししてた私の家から、帰らなくなったんです(笑)。私の部屋にはプレステがあって、しかもアケコンを持ってたんですよ。

倉持:なんでアケコンを!? 格ゲーやってたんですか?

akiki:
「DEAD OR ALIVE」とか「ラストブロンクス -東京番外地-」をちょっとやってたんですよ。年齢がバレちゃうかな。ちなみに、当時持っていたアケコンはHORI製でした(笑)。

倉持:さすが!(笑)

sako:
でも、遊びに行った女の子の部屋にアケコンがあったのは、衝撃やったわ。初めて見ました。それで、部屋に泊まったんですけど、ガチャガチャやってたらアケコンをひと晩で壊しました……。

それ以降は帰らなくなって、会社もakikiの家から通ってました。

倉持:同棲を始めてからは、家事はどうしてたんですか?

sako:
最初は100%akikiに任せてましたね。ところが、徐々にルールができてきて……。

akiki:
そのころになると、sakoは自分のアケコンを持ち込んで、タバコを吸いながらゲームする時間が増えてきたんですね。そうなると、テレビを中心としたドーナツ型にタバコの灰やら汚れができてくるんです。

要は、テレビの前から動いていないんですよ。だって、「オレは1畳あったら生きていけるわ」とか言ってるぐらいですから。

sako:
必要なものが手に届く範囲にあるのは便利ですよ(笑)。

akiki:
私も最初の頃は掃除してたんですけど、さすがにこれはひどいってなって。で、どうしようかと考えたんです。

普段はずっとゲームをしてて画面しか見てないので、ゲームをしないトイレのドアに家事分担表を貼りました(笑)。私がやっている家事の一覧をわかるようにして、いかにsakoがなにもしてないかを浮き彫りにしました。

sako:
そこからは、ゴミ捨てやお風呂掃除、ご飯を炊いたりするようになりましたね。

倉持:炊飯ゲーマー! ご飯を自分で炊けないゲーマーは、結構いると思うんですよね……。すごいです!(笑)

sako:
あの家事分担表は効きましたね。「こんなになんもやってないんや」って(笑)。

倉持:結婚されて何年ぐらいなんですか?

sako:
私が30歳のときに結婚したので、9年ですね。結婚したときは、ゲームは専業ではなかったですが。

倉持:専業ゲーマーに踏み切るときの心境はどうでしたか?

sako:
私の場合、専業の決断をする時点で嫁さんと子供がいたので、食べていけるかが不安ではありました。ただ、この点は嫁さんとしっかり相談しましたね。専業になったのは2年前で、それまでは兼業でした。

akiki:
スト4のときは言ってなかったんですが、ストVが出てすぐに「このゲームはオフラインで対戦しないと大会では勝てない」ということを言うようになったんです。その後、東京に行きたいという話も出てきました。

倉持:ストVになってからというのは、なんでなんですか?

sako:
ストVをネット越しにプレイするのと、対面でプレイするのとでは、だいぶ感覚が違うという印象を持ったんです。

akiki:
そういう話をストVが出た直後ぐらいから聞いていたので、1年間かけて東京へ行くための準備をしました。子供がいるので、保育園の問題などもありましたし。

倉持:最初に東京へ行きたいって聞いたときは、akikiさんはどう思いました?

akiki:
別にええんちゃうって感じでした(笑)。sakoにとってゲームは空気なんですよ。ゲームができなくなったら、死んじゃうなぐらいに思ってます。旦那さんが、死ぬか生きるかと考えたら、それは生きる方を選択しますよね。そんな感覚です。

(後編に続く)

写真・大塚まり

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記者プロフィール
倉持由香
ゲームに本気で取り組む100cmのもっちりヒップ、尻職人グラドルゲーマー。14歳でゲーム配信者デビューをし、格ゲーマーとの交流が深い。自宅のゲーミングスペースにはPCやゲーム機に加え、雀卓も完備。ストVでの使用キャラは、レインボー・ミカ。

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