ジャングラーsyaruruが語るLoLプロシーンの課題

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■前編記事
ジャングラーでプロ入りは狭き門
――syaruruさんは、「League of Legends」(以下、LoL)では有名なジャングラーで、Twitterのフォロワーは12,000人を超えていますよね。どうやって有名になったのでしょうか?
syaruru:
「WORLD CYBER GAMES 2013 League of Legends 日本代表予選」でベスト4の結果を残した後に、ゲーム配信を始めたことがきっかけで有名になりましたね。当時は上手いジャングラーがあまり配信していなかったこともあり、ダイヤモンドランクでジャングラーをしていた僕の配信に視聴者が集まったんです。
当時は「ストリーマー」という言葉はあまり浸透していなかったので、視聴者からはただのニートのように見えていたと思います(笑)。
――LoL人生の中でターニングポイントはどこですか?
syaruru:
LoLの公式リーグである「League of Legends Japan League」(以下、LJL)の放映権が、ニコニコ生放送からTwitchに移ったことです。公式大会を放送している配信サイトに人が集まりやすいので、Twitchでの配信を始めました。
そのタイミングで、プロチームの「7th heaven」の選手から誘われて、ストリーマーとして加入することになりました。それから本格的に配信をするようになりましたね。
――プロ選手としての加入は考えなかったのでしょうか?
syaruru:
プロ選手として活動したいと考えた時期もありますよ。でも、海外には強いジャングラーがたくさんいるので、どのチームもジャングラーの枠に日本の選手を入れようと考えていませんでした。
僕がLoLを始めた2009年では日本サーバーがなかったので、ラグの関係で小手先の技術が必要なチャンピオンの使用を避けていました。そのせいで変なくせがついてしまったのと、年齢的にも厳しいかと思いプロ入りを断念しました。
プロになりたいならトップレーンを極めるべき
――syaruruさんが注目しているプロ選手はいますか?
syaruru:
現在のLJLにはベテラン選手が数多くいるので、「老人リーグ」と呼ばれるぐらい年齢層が高くなっています。最近は何人か若い選手も登場していて、その中でもいいパフォーマンスを披露しているRayFarky選手に期待しています。これからどんな選手になっていくのか楽しみですね。
――LJLは老人リーグの別称があるんですか。
syaruru:
そう呼ばれてしまう理由があるんですよ。これまでは、シーズンを終えた際に下位2チームがLJLの枠を争う入れ替え戦を行っていたので、勝敗がチーム存続に大きく影響していたんです。この入れ替え戦の存在のせいで、ベテラン選手をチームに入れるしかなかったようです。
これを見越してか、昨シーズンから降格なしにルールが変更されました。この変更によって新人選手を育てるチャンスが生まれて、最近はちらほら見られるようになりました。
僕個人は、競技シーンではベテラン選手がすぐに追い出されてしまうような環境が望ましいと思っているので、より理想に近づいてくれました。
でも、降格がないということは、負けてもいいという安心感が生まれると思うんです。これまであった緊張感がなくなって、ゆるいリーグにならないかという懸念はありますね。
――LoLでプロ選手を目指す人にアドバイスをお願いします。
syaruru:
上手くなるのはもちろんですが、僕がジャングラーでチャレンジャーになってもプロ入りができなかったように、プロになりにくい役職が存在します。
でも逆に、上手い海外選手がいない役職ならプロになりやすいとも言えます。これからプロを目指すなら、僕はトップレーンのチャンピオンを極めるのをおすすめします!
――今からLoLを始めても、プロ選手になれるのでしょうか?
syaruru:
3年もあれば大会で通用するレベルにはなれると思うので、今から始めるのは全然ありだと思います。むしろ変なくせがついていない状態だと思うので、学んだことを素直に吸収すればすぐに強くなれますよ。
僕は大会会場まで足を運ぶことがあるんですが、出場している選手は大学生が多いです。高校生ぐらいから始めれば、じゅうぶん間に合うと思います!
LoLは自分が強ければ勝ち上がれる
――LoLにおいて、勝ち上がれるプレイヤーはどんな特徴がありますか?
syaruru:
あまり協調性がないです(笑)。
LoLは味方に依存するゲームではありますが、自分が有利な状況を取るほど味方も戦いやすくなるので、究極的には自分が強ければ勝てるとも言えます。あとは、倒されても慌てず普段どおりのプレイができるプレイヤーが自然と勝ち上がっていくと思いますね。
あとは時間を使って上手くなるのも重要ですが、知識がないと勝てないゲームになっているので、我流ではいつか壁にぶつかることになります。現在はたくさんの情報が出ているので、まずは調べることから始めたらいいと思います。
――LoLの今後の課題は何だと考えていますか?
syaruru:
チームを組むことの難しさですね。LoLは5人集めないといけないにも関わらず、プレイヤーごとにレーンの得手不得手があるので、チームメンバーを探すのは相当骨が折れます。
僕のようなストリーマーも孤立しがちなので、気軽にチームを組めませんね。
――syaruruさんがYouTubeに投稿している、ジャングラー向け動画の評判はどうですか?
syaruru:
実はかなり評判が良くて、1日に1回ぐらいの頻度でTwitterのDMに「動画を見てゴールドランクに上がりました!」と連絡が来るんですよ。ダイヤモンドにも上がったという連絡がきたこともあって、動画で出していることは間違っていないんだなと感じました。
ただ、チャレンジャーに上がりましたという報告は受けたことがないですね。
――チャレンジャーになるには、どうすればいいとお考えですか?
syaruru:
チャレンジャーは学ぶだけでなく経験も必要なので、ある程度学べたらひたすらプレイ回数を重ねるべきですね。各チャンピオンの特徴やスキル、クールタイムなどは知っているようで実は詳しく知らないということも多いです。なんとなく知ってる状態でチャレンジャーになれるのは、天才だけですよ(笑)。
あとLoLはワントリックポニーと呼ばれる、1体のチャンピオンしか使えないプレイヤーもいます。プロを目指すなら複数のチャンピオンを使えるようになる必要がありますが、普通にプレイしてランクを上げたいだけなら1体だけを使えるようになればOKです。
――前編でお話していただいたオートチェスの「Teamfight Tactics」(以下、TFT)とLoLでは、何か共通している部分はありますか?
syaruru:
LoLも情報を知ることが大事なので、勉強しない人はカモってことですね。一定数は調べずに感覚でプレイしてる人がいるので、そのようなプレイヤーがいる限りは勝ち上がることは可能です。あとは、LoLが上手い人は大体なんのゲームをしても上手いので、TFTでも上位プレイヤーはいますね。
――最後にファンの方にひと言お願いします。
syaruru:
いつも動画や配信を見ていただいて、ありがとうございます。普段はあまり顔出しはしていないですが、慣れたら配信でも顔出ししていきたいと思っているので、ちょっとだけ待っててほしいです。
どうしても顔が見たい人は、僕が出演しているイベント配信などをご覧ください(笑)。
自身のプロ入りを挫折したにも関わらず、現在のプロシーンの課題点やプロ選手への道を考えるsyaruruさんは、現在もLoLの配信を続けている。
チャレンジャーである彼の実力は健在なので、LoLのプロを目指すなら生配信に訪れてみてはどうだろうか。
写真・大塚まり
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