輝Rock&シオロジカが語るDOA史の衝撃プレイヤーと名試合

Mako(WPJ編集部)

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■前編記事
DOAがやりたくて東京へ――輝Rock選手&シオロジカ選手の自分に正直な人生

DOA史上最大の衝撃“さわづま”

――過去、忘れられない1戦ってありますか? ご自身の試合でなく見聞きした試合でもいいです。

シオロジカ:
ちょっと尖ってる話ですけどいいですか?

――尖ってれば尖ってるほどいいです。

シオロジカ:
さわづま(※)っていうプレイヤーがいるんですけど、彼はいろんなゲームをやっててデッド オア アライブ(以下、DOA)にも入ってきたんですね。

すごく練習する人でどんどん上手くなったので、タイマンをがっつりやったんですよ。そしたら、プレイスタイルがあまりよろしくなくて。

※さわづま:もともと「ソウルキャリバー」のプレイヤー。フランスの格闘ゲーム大会「World Game Cup 2013」では、シングル戦で準優勝、国別対抗戦では板橋ザンギエフ選手らと共に優勝するなどの実績を残す。DOAではハヤブサ使い

輝Rock:
ハイリスクハイリターンな行動をして、択が通れば勝てる、みたいな感じの戦い方ですね。

シオロジカ:
俺はそれは違うと思うなっていうのを本人に言ったら、本人はそれが強いと思ってたのでショックを受けてたっぽかったんですね。「俺はもうだめかもしれない」みたいなことをツイートしてたりして。

それを見たら申し訳ないことをしたなって思ってたんですけど、それから1ヵ月くらい死ぬほど練習してて、次会ったときにめちゃくちゃ正統派にうまくなってたんですよ。

そのときの彼のモチベーションがやばすぎて、仕事終わってうちに来て、そのままうちから仕事に行くみたいな感じで。さらに仕事終わりにゲーセンに行って、俺とタイマンやって50戦くらいやって……。とにかくすごかったんですよね。

それを見てたら自分はモチベーション全然足りてないんじゃないかって思って。そこで自分の考え方変わりました。

もう俺に対する殺意がすごくて、他のキャラ使いには勝てないけど、俺に対しては勝ち越したりするんですよ。

輝Rock:
大会とかに出ると「あいつ強いから上がってくるだろうな」って見てると突然負けてたりするんですよ。聞いてみると「いや、こころのこと全然知らないです」とか言ってたりして。

シオロジカ:
彼は倒したい人を倒すためにやってるから、その人を倒せればいいみたいな感じなんですよ。

俺としては、DOAで1番やりたくない相手といえばさわづまですね、そのくらい向けられた殺意がすごい(笑)。

輝Rock:
話だけ聞くとすっごくやばいヤツに聞こえるんですけど、実際はかなり真剣にゲームをしていて、時間さえあればずっと考えてるんですよね。あーでもない、こーでもない言いながら。

シオロジカ:
プレイスタイルが最初の頃からはかなり変わってて、そういう意味でさわづまとの試合は忘れられないです。DOA史上1番の衝撃。

――輝Rock選手の忘れられない1戦は?

輝Rock:
Red Bull Monday Night Streaksっていう毎週月曜日に賞金99,999円の大会があって、去年の10月に4週連続でDOA5がタイトルとして選ばれてたんですね。

それにシオロジカが3週連続で優勝していて、最後の4週目の決勝がフラックというプレイヤーとの試合だったんですね。

フラックはDOAを細かいところまでやり込んでいるかなり強くて上手いプレイヤーで、もしシオロジカが負けるとしたらこいつしかいないだろうなってくらいの選手です。ただ、本人の仕事が忙しいせいか大会に出られないことが多くて、今回は来ないのかなぁと思っていたところ最後の週に登場した形でした。

アーカイブはこちら(OPENREC.tv)

普段、自分が人の試合を見てても「あそこはこうだよな、自分だったらこうするな」とか思うんですけど、その試合に関してはすごすぎて「俺は無理だな」って思ったんですよ。純粋に見てて感動してました。

見たこともないテクニックを使ってるとか、スーパープレイが炸裂するとかそういうんじゃなくて、純粋にどっちもとんでもなく強いし、そんなプレイヤー同士が全力で長期戦やってる中でお互いの気持ちが出まくってて。この試合には絶対勝ちたいんだっていう気持ちが伝わってくるんですよね。

そのせいかわからないけど、どっちも普段は絶対やらないような変なミスをしてて、そんな緊張感の中で長い10先をやりきってるのを見て、すごいなと。もし自分だったらヒヨって固まっちゃうなって思ったんです。

これはTwitterでも言ったんですが、この試合はDOAを知らない、わからないっていう人にもぜひ見てもらいたいって思ったんです。別に細かいところはわからなくていいから、とりあえず見てって。絶対面白い試合だって自信を持っておすすめできる。現地で観戦してたけど、内容がすごすぎて「あ~、自分は置いてかれたな~」って感覚にもなりました。

試合の結果としては、フラック選手がリードして9-5と王手をかけたんですけど、そこからシオロジカが9-9まで追い上げて、でも最後はフラック選手が勝ちきったという流れです。

シオロジカ:
本当は勝ってたんですけどね……。

――勝てる寸前までいって惜しくも負けてしまったと。

シオロジカ:
そうなんですよ。

9-9までまくって、最後も2本先に取って、あとはコンボミスしなければ勝てるって思った瞬間になんかミスしちゃったんですよね。

ここまで追い上げてまじで勝てる、すごいことやったなっていう油断が出ちゃって。これまで何千回も決めてきたミスるはずのないコンボをミスってしまって、それがきっかけで負けてしまったんですよね。

――なんでそのミスが出てしまったか、振り返ってみていかがですか?

シオロジカ:
コンボミスの前に技が通ったときに、その瞬間に勝ったって思ったんですけど、後ろから観客のわーって声が聞こえてきたんですよ。俺も「まじで逆転いけた」ってぞわってしちゃって、タイミングがずれちゃったんですよね。

社会人としてダメになりそうで自衛隊へ

――コンプからサポートを受けてプレイヤー活動をしています。ゲーム中心の生活になることは昔から思い描いてましたか?

シオロジカ:
俺は中学生くらいからずっとそんな感じだったので、あんまり変わんないですね。

ゲームがしたいからちゃんとした仕事に就かなかったし、大会に出るためにバイトしか出来なかったから。バイトして大会に出るために貯金して、年に何回か東京に行ったりしてたので、あんまり変わってないですね。

ゲームをやりながら生きれればいいなって思ってます。

輝Rock:
そこの根本は自分も似たようなもので、ゲームしたいから仕事しているのは同じ。どうやったらゲームをやりつつ社会人としてダメにならないかというところの瀬戸際でやっている感じです。

それでいうと、私は過去に1回ダメになってるんで。

――社会人として?

輝Rock:
それこそゲームがしたいからというだけで東京に来て、アルバイトしてゲームして、という生活をしてたんですけど、長く続くわけもなく、ゲームしたいだけの状態になり……。

シオロジカ:
それはダメだね~。

輝Rock:
家でずっとMMORPGをやる生活。

で、お前そんなことしててもしょうがないだろって言われて実家に戻ったんですよ。戻ったはいいものの、実家が自営業なのでその手伝いをしながら部屋ではカチカチとゲームをやるという(笑)。

そんなことがあって、今度は自衛隊に行ってこいってことになって、1回自衛隊に入ったんですよ。その配属先が横須賀だったんですけど、「関東じゃん。やった!」って感じでした。ゲームするために関東にいたかったので。

――私が不勉強申し訳ないのですが、自衛隊ってゲームやる余裕というか環境ってあるんですか?

輝Rock:
私は海上自衛隊だったんですけど、半分以上の人が船に乗っちゃうんですね。1ヵ月とかそこらは陸に戻ってこない生活です。

でも私はゲームがやりたかったのでそれは困る。嫌だと。

でも、船を整備する部隊に配属されて、土日は休めますし、平日も定時に終わって帰れればゲームできるのでよかったですね。

入ったばかりの時期はプライベートなんかなくて、仕事だけで1日が終わっちゃってたので、さすがにゲームはできなかったですけど。ちょうどDOA2Uのオンラインでみんながすごく盛り上がっていたころでしたね。その時期はDOAももちろんやれていませんでした。

シオロジカ:
でも俺、その頃から輝さんの名前は知ってたけどね。

中学生くらいだったので緊張して話せないんだけど、ボイスチャットで上手いプレイヤーたちの会話を聞いてて、輝Rockっていうプレイヤーがいるらしいと。

輝Rock:
結局、自衛隊は10年くらい続けて、そろそろ禊を終えただろうということで退職して、海外の大会にも出るようになりました。今は普通の会社で働いているんですけど、ゲーム中心の生活なのは昔っから変わらないです。

自分から行動して道を切り拓く

輝Rock:
コンプさんからサポートいただいているのも、自分から話を持っていったんですよ。

――自らを売り込んでいったのですか?

輝Rock:
もともと完全食ってなんだろうと気になって、ユーザーとして使ってたんですよ。

で、COMPユーザーのファンミーティングみたいのがあるって聞いて参加しました。新作の発表とか、どんな人がどういう風に使っているのか紹介されていて、僕は「ゲームをやる時間がほしいからCOMPを使ってる」という話をしたんですけど、そのときに「ストリートファイター」のはつめさんをサポートされているのを知ってたので、「実は自分こういうことやってるんですけど」と話させていただいたのがきっかけで今に至ってます。シオロジカのことも一緒に紹介しました。

自分が興味あることにすぐ接触するということをやってきた結果が今なので、それはよかったなと思いますね。

――個人的に完全食COMPってどうなのかなって気になってたんですけど、使い心地とかどうですか?

シオロジカ:
大会のときとかは楽ですね。

輝Rock:
海外の大会とかだと、予定どおりに進行しないことが多いので、お昼を食べそこねることがあって、そういうときに便利。グミタイプのものがあるんですけど、カバンに忍ばせてます。

あとは日常的に朝ご飯はほぼ、昼休みも半分くらいはCOMPです。特に食べたいものがないときなんかは「COMPでいいや」って。

「COMPでいいや」って失礼な言い方かもしれないですけど、それで正しいと思ってて、特に食べたいものがないけどお腹空いたときに、わざわざ混んでるご飯屋さんにいくくらいだったらCOMPでいいじゃんって使い方をしています。

シオロジカ:
俺はゲームをやってて朝の4:00くらいになっちゃって、腹減ったけど早く寝ないといけないっていうときに、一瞬で腹を満たして寝るっていうのに使ってます。

――COMPの宣伝っぽくなっちゃいましたけど、ゲーマーに向いてそうですね。最後に今年のツアーでの目標をお聞かせください。

輝Rock:
私の場合だと、DOA5では海外の大会に結構参加したんですけど、いまいち勝ちきれない試合が結構あって、海外のプレイヤーの肝のすわり方みたいなのがあって、それに変なひより方をして負けちゃってたので、そういうのを払拭したい。

負けるにしても納得のいく試合ができるように思いっきりやりたいです、

シオロジカ:
俺は、ツアーのグランドファイナルのに出たいっていうのもあるんですけど、それよりもXCaliburBladeZ選手とKwiggle選手に勝ちたいなっていうのがありますね。大会でいつもこの2人にやられるんですよ。

輝Rock:
XCaliburBladeZに勝ってないんだっけ?

シオロジカ:
まじで勝てないというか、俺のクセみたいなのを読まれてキャラ被せられて負けるっていう感じ。

DOA5の世界大会で優勝したときも、当たらなかったんですよね。なので、まだ彼に勝った認識はないので、DOA6で戦いたいなと思ってます。この2人とやりたいがために大会に出たいくらいです。

※XCaliburBladeZ:アメリカの強豪プレイヤー。DEAD OR ALIVE World Championshipの最初のトーナメントとなった「The MIXUP 2019」で優勝し、アメリカのプレイヤーではポイントで首位に立っている(2019年6月時点)

※Kwiggle:「モータルコンバット」や「ドラゴンボールファイターズ」など、多数のタイトルで圧倒的な強さを誇るSonicFoxの弟。DOAの強豪プレイヤーで大会では必ずと言っていいほど上位に入ってくる


前後編を通してDOAに注ぐ並々ならぬ情熱を語ってくれた輝Rock選手、シオロジカ選手。

直近にあった海外大会「Taipei Major 2019」では2人でワンツーフィニッシュを決めており、ツアー全体を通して活躍するに違いない。

次の大会は今週末6月28~30日にアメリカ、フロリダ州で開催されるCEO 2019。完全食COMPを携えて、海外の強豪に立ち向かう――。

写真・大塚まり

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記者プロフィール
Mako(WPJ編集部)
スマホゲームの攻略サイト、情報メディアを渡り歩いてウェルプレイドジャーナルに流れ着いた超絶新進気鋭の若手編集者。イベント取材では物販やコスプレイヤーに釘付けになりがち。

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