第5回スプラトゥーン甲子園採用ステージを一挙解説!:望月もちのイカがだろうか【第8回】(後編)

望月もち

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実はターン制っぽいナワバリバトルで勝ちたいあなたへ:望月もちのイカがだろうか【第8回】(前編)

バッテラストリート:強ポジション「中央の橋」をどれだけ活かせるか

中央に架かる大きな橋は、ステージのあらゆる箇所へのアクセスが素早く行える強ポジションであり、橋を制しているチームがバッテラを制していると言っても過言ではない。

固め(ステージを制圧し、相手チームの打開に対して防衛する場面)は橋を起点に、両サイドから挟み込むような形を意識すると、少ないリスクで相手を倒すことができるはず。

逆に、中央の橋を確保できていても、両サイドにカバーしてくれる味方がいなければ、相手を倒し切ることはできないだろう。

これはバッテラストリートに限らずすべてのステージに通じることではあるが、強ポジションを抑えているからといって必ずしも有利とは限らず、特にバッテラストリートはステージ全体がとても広く、抜けられたときの損失がかなり大きい。

橋を守ることが目的になってしまい、結果的に橋以外を制圧されてしまう……といったことがないように、両サイドの味方との掛け合いは意識しておこう。

逆に固めのシーンで、橋を守るプレイヤーが少しずつ退きながら相手を引きつけ、その隙に味方に抜けてもらう、という戦略もアリ。強いポジションをどのように活かすことができるかが大事になるステージと言えるだろう。

コンブトラック:チーム内で役割をハッキリとさせることが大事

このステージは、相手陣地に侵入できるルートが右サイドの1つに限られているため、相手陣地へと抜けていく役割のプレイヤーと、左サイドを抜けられないように防衛する役割のプレイヤーに分かれがち。

抜けていく役割には、前回記事で解説したイカスフィアを起点に攻め込むブキであったり、パージを活かして強引に攻め込むことのできる「キャンピングシェルター」が有効に働くことが多い。

ステージ中央は曲線的な起伏が多く、スロッシャーの地形を無視した攻撃が非常に強いので、中央はスロッシャーを軸に対面に専念し、余裕ができれば両サイドにカバーに入る形が定番の戦略となるだろう。

中央で対面するプレイヤーが抜けていく役割を兼任すると、どうしても判断を誤ってしまうことが増えるため、よほど慣れない限りは役割は分けてしまった方がいいと考える。

海女美術大学:押し込んだ側がターン継続をしやすいステージ

中央の高台から一方的に攻撃することもできるが、左右の広場から攻め込むことも可能。高台を起点にした固めも強いが、抜ければ得られるアドバンテージも大きい……といろいろな選択肢から戦略を選ぶことのできるステージ。

個人的には、相手チームの広場(ニンニクのようなオブジェのある場所)まで攻め上がり、相手をリスポーン地点の高台から降ろさせないように押し込んでしまうのが非常に強いと思っている。相手チームからすれば、足元にいるプレイヤーを覗き込むようにして倒さなければならないので、どうしてもリスクが付きまといやすいからだ。

余裕があれば、強引に相手陣地まで抜けてしまうのもアリ。相手チームのリスポーン地点付近からでも、すぐにステージの中央まで退くことができるため、抜けることに成功さえすれば、低リスクでプレッシャーをかけられる。

ザトウマーケット:ここぞという場面の抜けが良く刺さる

相手陣地に抜けることのできるルートは1つだが、逆に言えば、一度抜けてしまえばリスポーン地点に帰られない限り、すぐには倒されないということ。

抜け以外で前線を高く押し上げることが難しいステージでもあるので、固めてしまってからは、防衛しつつ本命の勝ち筋に抜けを持ってくるチームも多い。

ステージ中央には高低差のある段差が多いので、抜けを狙う場合は潜伏で潜んでおき、相手チームが打開を始めた瞬間にこっそり抜けてしまうのが有効だろう。

抜けを狙うのは相手チームも同じ。打開する場合も固める場合も、常に抜けられるルートのクリアリングは丁寧にしておくように。

抜け以外でいうと、コンブトラックと同じく、段差が多い関係でスロッシャーのブキが強い。スロッシャーの射程内で戦う場合はじゅうぶんに注意を。

チョウザメ造船:ハイリスクハイリターンな抜けを通すことができるか

※上記のチョウザメ造船のツイートは「第3回スプラトゥーン甲子園」のもの

ステージ中央を挟むように、お互いのチームの陣地に高台が設けられており、基本的には高台から前線をカバーすることが多いステージ。ただ、このステージにおける大事な要素は、抜けた時に相手を必ず引きつけることができる点だと思っている。

リスポーン地点の前を横切り、強引に相手陣地を塗り広げるのも強い。抜けてから右にある金網に居座るのも強い。と、抜けることで得られるアドバンテージがかなり大きいステージになっている。

しかし、高台にいる相手チームの後衛をなんとか振り切って抜ける必要があるため、高い練度が求められる。

安定した勝利を掴むためには必要な要素だと思っているため、事前に練習しておくことをオススメする。

エンガワ河川敷:どうしても個々の対面能力が求められる

先ほどまでとは打って変わって、抜けてから塗ることのできる範囲があまり広くなく、順当にステージを制圧した側が優勢になることが多い。

両サイドに広場があるのだが、お互いにすぐに駆け付けることができないため、1人きりで戦うことが多いステージになる。

もちろん中央にいるプレイヤーがカバーに入ることも大事なのだが、横に広いステージなので、自分で解決できる地力が求められるのではないだろうか。

こういうステージは射程に限界のあるキューバンボムピッチャーより、端から端まですぐにカバーに入ることのできる「マルチミサイル」が有効だと思う。

アンチョビットゲームズ:自陣塗りがかなり複雑で中央の戦闘も難しい

リスポーン地点から出た直後から自陣が広がり、右は奥まで道が続いていると思いきや、左はプロペラを使い移動しなければ入ることができない……と、自陣を塗るプレイヤーにとっては泣きたくなるようなステージ。

また、中央はインクを吹きかけることで上昇するプロペラの足場があり、相手陣地に攻め込むためにも逐一インクを出さなければいけないため、隙を見て抜けることが難しい。

ともなれば、チーム全体で攻め上がってしまうのが有効ではないだろうか。このステージに限らないが、中途半端な立ち位置で相手を待つぐらいなら、いっそのことこちらから押し上げてしまった方がわかりやすい、ということも多い。

特にこのステージは、荒らすことのできる範囲もそれなりに多く、攻め上がるメリットはじゅうぶんにあるだろう。

ステージ中央からでも相手陣地にボムを投げ込むことはできるため、余裕があれば少しずつ荒らしておくのも結構大事。

ムツゴ楼:第5回スプラトゥーン甲子園No.1難しいステージ

スプラトゥーン2で唯一の線対称ステージであるが、相手陣地にいっさい侵入できないというのが最大のポイント。

今までに散々説明してきた抜けのテクニックがいっさい使うことができないため、このステージだけブキや戦略を変えるチームも多い。

相手と対面する回数も増えるため、高い回転率でイカスフィアを回すことのできるブキはやはり強く、それをカバーすることのできるマルチミサイルやキューバンボムピッチャーも同じく強い。

スプラトゥーンの基本である、味方とスペシャルを合わせて対面する立ち回りをどれだけ通すことができるかが大事になるだろう。

また、神社のある側と海のある側で戦術が大きく分かれることもあり、海側では戦闘が行われている中で、神社側ではひたすらマルチミサイルをためるために相手と塗り合い続ける……ということもある。

抜けることも相手陣地を荒らすこともできない以上、他のステージと同じ考え方では安定して勝つことが非常に難しいステージだと思っているので、特に力を入れて練習しておくことをおすすめする。僕も正直どうすればいいのかまだわからないです。


イカがだろうか。

今回はスプラトゥーン甲子園に向けてナワバリバトルの知識や考え方の解説、使用される8つのステージの攻略を書かせていただいた。

いよいよ第5回スプラトゥーン甲子園が開催されるということで、今年はどのようなドラマが観られるのか非常に楽しみであり、この連載でもスプラトゥーン甲子園に関する話題を積極的に取り扱っていければと思っている。

プレイヤーとしてもライターとしてもこれからのスプラトゥーン2の盛り上がりが非常に楽しみである。少しでもその発展に携われるのであれば光栄に思う。

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記者プロフィール
望月もち
「スプラトゥーン2」プレイヤー兼、フリーランスのゲームライター。
ジャンルを問わず、20年以上ゲームをプレイし続けている、ゲーム一筋の人生を送っています。選手、ゲームライター、配信者など、多方面からゲームを盛り上げることを目標に活動中。

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